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2024年5月に作成された記事

2024/05/16

早期離職の一因。2024年4月入社者の入社後の配属に関する状況からの推測

株式会社リクルートのよ就職みらい研究所学生調査に非常に興味深いデータがありましたので、
私見ですが、お知らせします。

 

調査方法:インターネット調査
調査対象:2024年卒業予定の大学生および大学院生に対して、『リクナビ2024』にて調査モニターを募集し、モニター
に登録した学生4,563人(内訳:大学生3,573人/大学院生990人)
有効回答数:大学生 964人/大学院生 331人
調査実施期間:2024年3月15日~3月18日

 

・3月卒業時点で、入社後の配属先が確定している学生は46.9%
・入社を決める前までに配属先が確定していた学生は20.3%

 

上記のデータから思うのは企業側は学生たちの何に興味を有し適性を感じて採用に至ったのかという疑問です。
通常は現場の採用ニーズ、及び経営戦略を睨んだ新規事業や先行投資的な部門の必要人員数を企業は採用人数とします。
従って、採用する人材は必要とするスペックに近しい学生を採用し、内定後は必要な部署に配属されます。
恐らく何回かの面接過程で入社して何をしたいのか、どの部門で働きたいのかというような話は交わされ、マッチングが
おこなわれたと思います。
しかし、卒業時点で配属先が不明な学生は53.1%、入社を決める前でさえ配属先を確定していない学生は33.8%
もおられます。
この数字だけを見ると、本当に学生は自分が望む仕事をしっかり企業に伝えたのかが疑問になります。
また企業は採用した学生のどこを魅力と考え採用に至ったのかが疑問に思われます。
人材不足の昨今、バブル期のような採用人数に重きを置いた採用が始まっているのか・・・と心配になります。

この数年、新卒者の早期転職者が増加しています。
その原因は様々ですが、採用して入社する直前まで配属先が決まらない環境が学生たちのモチベーションを下げている
可能性は高いと思います。(自分は本当に必要なのか・・・)
また、調査では内定承諾後に配属の希望を伝えなかった学生の約6割が「希望を伝える機会がなかった」と回答している
との調査結果があり、企業側の責任は問われるかもしれません。
一方で、キャリア採用でも新卒採用でも人事が数回の面接やSPIなどでその人の多様性をすべて把握することは不可能と
いえます。複数回の面接の中で学生側がより遠慮しない積極的な対話を人事と積み重ねることも重要と言えます。

 

 

 

 

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