平均寿命と健康寿命の違いから考える転職とは・・・
平均寿命と健康寿命の違いから考える転職
2022年7月29日に厚生労働省が「令和3年簡易生命表の概況」を公表しました。それによると、2021年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。
2021年は前年と比べると男性は0.09年、女性は0.14年下回る結果となりましたが、
それでも日本の平均寿命は世界的にも高い水準を維持しています。
では「健康寿命」についてはどうでしょうか。
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を表しています。
日本の健康寿命の最新データが2019年に公表されていますが、それによると男性は72.68歳、女性は75.38歳でした。
2019年の平均寿命を見てみると、男性は81.41歳、女性は87.45歳となっています。
ここでわかるのは、平均寿命と健康寿命には男性が8.73歳、女性は12.06歳の差があるということです。
ここでは2つの注目ポイントがあります。
1つ目は2021年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳という結果から、男性が雇用延長を70歳までしたら完全なリタイア後の生活は僅か11年ほどしかないということ。
まして健康寿命との差異では僅か3年ほどしかないということです。
女性も同様に70歳まで勤務したとしたら健康寿命との差異は約5年ということになります。
日本の労働人口が減少し働き手不足が加速し社会全体が65歳、70歳の再雇用制度を取り入れていくのは必然ですが、自身のQOLを熟慮すると果たして長く働くのが必ずしも良いとは限らないことが分かります。
人生の質の基準は個々に違いますが、一考する必要がありと思います。
2つ目は健康寿命の先に病気や要介護など不健康な期間があるということです。
つまり、医療費や介護費用が必要になり、家計に大きな影響を与えるかもしれないということ。
長く働くことで健康を害することもあり得ますし、働いていたからこそ思考が明瞭であるかもしれません。
一概に言えませんが、健康寿命の先にある生活の準備をしておく必要がありそうです。
2022年からは団塊世代が後期高齢者になり始め、2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上になり、高齢者人口がピークを迎えます。
このように高齢化社会が進み、さらに平均寿命が延びて健康寿命との差が広がることになれば、社会保障費がますます増加する社会が待ち受けていることが予想されます。
このような状況を踏まえた国は、社会保障を持続可能なものにし、誰もが健康で自分らしく生きていくため、健康寿命を延ばすことが重要となります。通勤の負担を減少させるために高齢者雇用者のリモート業務を更に促進するなども考えられます。
個別には健康寿命を延ばすためには国民の1人ひとりが健康づくりのためにできることを考え、実際に取り組むことだと思います。
ウォーキングなど取り組みやすい方法で身体を動かす習慣をつくり、栄養バランスを考えた食事を心がけ、質のいい睡眠を意識することで、健康を維持することから始めていくことが大切になります。
現在、転職を動機付ける人材関連TV CMなどが多数流れ、今現在の高い年俸獲得や自分探しが加速していますが、近視眼的にならず将来の自分や家族との生き方を考えたうえで今を生きることが大切だと思います。
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