顧客ニーズに合った人材がEXECUTIVEの時代
私が人材ビジネスに携わったのは38年前になる。いやはや間もなく40年になろうとしている。その当時は転職が「悪」の時代で、新聞の求人欄や転職雑誌(リクルートの就職情報やビーイングなど)も街中では簡単に見ることはできない。ましてや家族や両親に会社を辞めるなどと言うと、とんでもない説得にあったものだ。しかし、私も創刊営業に参加した女性専門求人誌「とらばーゆ」や技術者向け専門誌「ベルーフ」が出版され始めたころから徐々に社会の受け入れ方が変わった。男女雇用均等法も後押しはしたが、企業が積極的に女性活用のメリットを見つけようとし、見出したことが大きな流れを創りだしたと言える。
今まで見受けられなかった1部上場企業のメーカー営業や、医療系などの女性営業などは最たるもの。私がいたリクルートなどは20年以上前に既に管理職の半分近くが女性であったのではないだろうか。リクルートのHR系の営業の多くは会社経営者とお会いして事業戦略に伴う採用戦略やモチベーションUPの為の人事制度や考課について提案するのだが、女性営業であってもそん色なく男性陣の業績を追い越す社員も数多く存在した。これは、経営者の課題を解決する提案をしてくれるのかどうかが経営者の目的であって、そこにそれ以外の要素はあまり存在しないとうことを表している。求人がメーカーの技術者であろうと、経営企画室の管理職であろうと、経営者が今求める課題を解決してくれる人材がその会社にとってEXECUTIVEな人材であろうと思う。その人材のキャリアやスキルに加え、その人材がもつ価値観がその大きな要素と言える。
当社はハンティング型のマッチングを得意とし、その年俸も一般のエグゼクティブ人材会社には無い高いものである。当社が得意とする高年俸EXECUTIVEは今後も企業ニーズは高いと思われるが、今後雇用が多様化する中で注目される派遣人材のスキルを上げることは益々重要になる。
派遣の分野で注目されるのはモニター人材である。
昨今のマーケットの多様性はITが全体を覆う状態で存在し、その中にヒューマンリレーション要素が加わっている。ITは全ての企業同様の選択権があり、追いついたり抜かれたりを繰り返すが、その中にあるヒューマンの感性は人間でしか評価することができず、それにかかわる人間力に頼る。多くのメーカーが様々な製品を開発し世の中に出すが、果たしてその商品が様々な国の様々な人(ターゲット)に受け入れられているのかは発売前も発売後も完璧な調査が行われていない。ましてや発売後日が経過すれば軽視されている。多くのマーケティング会社は発売前、発売直後に任意セグメントされた人数を集め製品を介しての感想やアンケートを行いそれをベースにメーカーに調査報告する。またはITを活用したセグメントされた方々にアンケートを行い、データベース化しやすい形で依頼主にFBする。しかし、コレカラ企業が必要な人材や調査内容は、よりセグメントされた優良人材が行うマーケット調査やFBだと私は考える。企業が知りたい目的をより理解して、優良なコメントを発することができるモニター人材をマーケティング会社がどれだけ集めることができるかが勝負と言える。もし分析能力やコメント能力が高いモニターがおられたら、それはモニターのEXECUTIVE人材であり、顧客ニーズに確実に応えられる優良人材と言える。
そういう意味でモニター人材を中心に顧客ニーズに的確に応えることができる人材育成・獲得が今マーケティング会社の今後の戦略になるのかもしれない。
突き抜けた人材を集めることができた企業には何かが起こる。
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