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2013年3月に作成された記事

2013/03/11

学ぶということの素晴らしさ

「学ぶ」

日頃、就職ガイダンスや就職観について大学で話すことはあるが、久しぶりに自分が学ぶために大学に足を運んだ。 

場所は奈良教育大学。近鉄奈良駅から徒歩20分程度だろうか、奈良公園を抜け住宅街を少し歩くとその大学はある。本来であれば早春の気配と鹿の出迎えで素晴らしい散歩となるが、当日はどんよりしていて肌寒く急ぎ足で大学に向かった。当日は入学と卒業生が入れ替わる時期でキャンパスに学生の姿はない。閑散とした大学なれどにこやかな守衛さんの応対に気分をよくして講義室に向かった。

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今日のシンポジウムは就職でも企業経営でもなく、自分のライフワークテーマのシンポジウムで、最近所属した、JBN(ジャパンクマネットワーク)主催のもの。多くの活動をしているが、主に各都道府県や行政からの依頼を受け数少なくなったクマたちと共存する、保護する為の活動をおこなっている。メンバーの多くは大学研究者、地域行政の方々で、クマの研究をされている研究者や一般の方々なども入られている。 何十年もの調査データとフィールドワークが融合したものから様々なテーマを投げかけている。少しマニアックな話でだが、クマは既に九州絶滅(ここ数十年生存の証がない)、そして、下北半島・四国・紀伊半島も次なる絶滅候補地として挙げられています。様々な名目でH24年は2799頭が捕殺。H22年は何と3555頭が捕殺というのが現状です。この場で簡単に語ることは、人的被害を受けられた方や林業家、養蜂家の方に恐縮なのですが、誤解を恐れず言うと人が他種の命を絶つということだけはあまりにも寂しい気がするこの頃なのです。命は製品と違い設計図があり再生できるものではありませんので、大いなる責任が人間にはあるのだと思います。

Jbn


このシンポジウムには大学教授や官庁系の方、JBNの方、山を歩き回り現場の話をされるフィールドワーカーの方など多くの方が講義をされたました。内容は書ききれませんが、近代国家である日本が九州のクマも守れない現実を見てやや危機感を募らせています。

さて、講義を聴きながら思ったのは企業にも似たリスクが存在するということ。経営者は事業再編や変革に目がいきがちですが,目的を達成するためにフィールドにいる現場の声が聞こえなくなっていたり、今に至る会社の歴が見えなくなっていないかということです。その声に耳を貸さないと取り返しがつかないこともあることを知り、真摯に経営をすることが大切であるという投げかけもこのシンポジウムはしてくれたと思っています。よくメーカーはモノづくりが命と言いますが、その魂が何かを放置して進むとクマのように取り返しがつかないことになってしまいます。企業にとってマーケットに沿った改革をすることは大切なことですが、自社らしさを継承しながらの変革こそが大切なポイントなのかもしれません。

ともかく、たまの休みでゆっくり時間を過ごすこともできましたが、参加して大いによかったと思います。自身が年齢を経たことで具現化できることが増えてきたことで、これから何ができて、何をしたいのかを探るこれからの数年がとても楽しみになりました。

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2013/03/01

65歳雇用延長について

企業にとっての65歳雇用延長とは。

厚生労働省のHPに本件の情報は数多く掲載されています。行政の税金のシミュレーションから導かれたのか、人口が削減する中労働力を確保しようとしているのか・・・憶測は後を絶たない。

しかしながら、企業にとって、特に中小企業にとってこの法律改定は目を背けては通れない。この3月末日までに企業は自社の環境に即した内容を盛り込んでこれに対応する就業規則を作成し届けねばならない。

たとえば、以下のようなことも想定される。内容は厚生労働省から出されている「継続雇用制度の導入」より抜粋し、それを多少アレンジし経営者が実感沸くQ&Aとした。

ケース1
Q: 就業規則では、これまで、基準に該当する者を60歳の定年後に継続雇用する旨を定めていますが、経過措置により基準を利用する場合でも、就業規則を変えなければいけませんか。
A: 改正高年齢者雇用安定法では、経過措置として、継続雇用制度の対象者を限定する基準を年金支給開始年齢以上の者について定めることが認められています。したがって、60歳の者は基準を利用する対象とされておらず、基準の対象年齢は3年毎に1歳ずつ引き上げられますので、基準の対象年齢を明確にするため、就業規則の変更が必要になります。

【希望者全員を65歳まで継続雇用する場合の例】
第○条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない者については、65歳まで継続雇用する。
【経過措置を利用する場合の例】
第○条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない者であって、高年齢者雇用安定法一部改正法附則第3項に基づきなお効力を有することとされる改正前の高年齢者雇用安定法第9条第2項に基づく労使協定の定めるところにより、次の各号に掲げる基準(以下「基準」という。)のいずれにも該当する者については、65歳まで継続雇用し、基準のいずれかを満たさない者については、基準の適用年齢まで継続雇用する。
(1)引き続き勤務することを希望している者
(2)過去○年間の出勤率が○%以上の者
(3)直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと
(4)○○○○
2 前項の場合において、次の表の左欄に掲げる期間における当該基準の適用については、同表の左欄に掲げる区分に応じ、それぞれ右欄に掲げる年齢以上の者を対象に行うものとする。
平成25年4月1日から平成28年3月31日まで 61歳
平成28年4月1日から平成31年3月31日まで 62歳
平成31年4月1日から平成34年3月31日まで 63歳
平成34年4月1日から平成37年3月31日まで 64歳

ケース2
Q:継続雇用制度について、定年退職者を継続雇用するにあたり、いわゆる嘱託やパートなど、従来の労働条件を変更する形で雇用することは可能ですか。その場合、1年ごとに雇用契約を更新する形態でもいいのでしょうか。
A: 継続雇用後の労働条件については、高年齢者の安定した雇用を確保するという高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金などの雇用に関するルールの範囲内で、フルタイム、パートタイムなどの労働時間、賃金、待遇などに関して、事業主と労働者の間で決めることができます。
 1年ごとに雇用契約を更新する形態については、高年齢者雇用安定法の趣旨にかんがみれば、年齢のみを理由として65歳前に雇用を終了させるような制度は適当ではないと考えられます。
 したがって、この場合は、
[1]65歳を下回る上限年齢が設定されていないこと
[2]65歳までは、原則として契約が更新されること(ただし、能力など年齢以外を理由として契約を更新しないことは認められます。)
が必要であると考えられますが、個別の事例に応じて具体的に判断されることとなります。

ケース3
Q: 例えば55歳の時点で、
[1]従前と同等の労働条件で60歳定年で退職
[2]55歳以降の労働条件を変更した上で、65歳まで継続して働き続ける
のいずれかを労働者本人の自由意思により選択するという制度を導入した場合、継続雇用制度を導入したということでよいのでしょうか。

A: 高年齢者が希望すれば、65歳まで安定した雇用が確保される仕組みであれば、継続雇用制度を導入していると解釈されるので差し支えありません。

ケース4
Q: 例えば55歳の時点で、
[1]従前と同等の労働条件で60歳定年で退職
[2]55歳以降の雇用形態を、65歳を上限とする1年更新の有期労働契約に変更し、55歳以降の労働条件を変更した上で、最大65歳まで働き続ける
のいずれかを労働者本人の自由意思により選択するという制度を導入した場合、継続雇用制度を導入したということでよいのでしょうか。

A: 高年齢者が希望すれば、65歳まで安定した雇用が確保される仕組みであれば、継続雇用制度を導入していると解釈されるので差し支えありません。
 なお、1年ごとに雇用契約を更新する形態については、高年齢者雇用安定法の趣旨にかんがみれば、65歳までは、高年齢者が希望すれば、原則として契約が更新されることが必要です。個々のケースにおいて、高年齢者雇用安定法の趣旨に合致しているか否かは、更新条件がいかなる内容であるかなど個別の事例に応じて具体的に判断されることとなります。

ケース5
Q: 本人と事業主の間で賃金と労働時間の条件が合意できず、継続雇用を拒否した場合も違反になるのですか。
A: 高年齢者雇用安定法が求めているのは、継続雇用制度の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではありません。

以上のような内容を読み込むとおよそのことが理解できる。(上記は全てではない。詳細は厚生労働省のHPを参照願いたい。)大切ことは内容を確実に理解して、自社の組織戦略、これから資金を多く要する新規戦略などに落とし込み、資金シミュレーションを早期にしなければならない。あと1月の間で十分な対応をし、人件費増の課題に遭遇しても持ちこたえる体制をつくらねばならない。

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