京都グリーフケア協会
高齢化社会に不可欠なグリーフケア浸透を願って
2012年秋、3年の準備を経て社団法人 京都グリーフケア協会が開校した。
私は葬儀業界のコンサルタントも行っており、これからの日本の高齢化に大きな
関心をもち、この協会の創設に参画した。
日本の高齢化が引き起こす様々な問題は社会保障制度問題を筆頭に数えるの
はたやすい。その中で経済や金銭に関係しないところで重要なテーマがある。そ
れは、大切な配偶者を無くして孤独になる老人の数が増大すること。昔のように
田舎に親せきがたくさん居る場合は向こう三軒両となりの心配りがあり、配偶者
がいなくなった老人が孤独になることは少なかった。しかし、若い働き手がほとん
ど街に出て行った地方はそのような機能はすでに崩壊しており、老人の多くは孤
独になり社会との接点が徐々になくなり様々な精神的苦痛が訪れる。
グリーフケアとは大切な方を亡くした人が、あまりの悲しみの中でグリーフ状態
(悲嘆)になり、その悲しみから長く回復しないときに寄り添って徐々に回復に向
かわせるケアを言う。文字で簡単に表せる内容でないが、このグリーフケアを学
ぶ学校がこの京都グリーフケア協会になる。
ひとの死に関わる看護師・助産師・葬儀従事者にグリーフケアを真摯に教える場
である。医療の進歩の中で忘れかけられている人が人に寄り添いケアする精神
を今一度日本に浸透させようと思っている。
中国は近い将来4億人の高齢者を抱えることになるが、これからの日本の動き
が中国に参考になることを願っている。
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