やさしい時間と出会い
色ずくブナ林
今年は「台風の当たり年」と言うことさえも控えたくなるほど台風が全国に風雨被害を与えている。東日本大震災に始まり、タイの水害など、果たしていったい何が地球に起こっているのか。そして、それらの被害は人災にも及び、ひとに悲しみをもたらしている。そんな中、3年を費やして準備してきた社団法人京都グリーフケア協会が京都七条の鴨川沿いにスタートした。看護師・助産師・葬儀従事者の方々向けのグリーフケアスクールが主で、グリーフケアカウンセリングも行う。20歳過ぎからビジネスマンとなり早や30年以上が経過しているが、ここにきてふとしっかり社会や人に貢献できることをしたくなったのかもしれない。
さて、いつものように単独で多くの山に出かけている。ハードな仕事を終えての一人ドライブと登山は体力的にきついがそれに勝る充実感がそこにはある。そして、その工程に人との出会いがあり一期一会を感じる。国内様々な場所に出かけるが狭いもので前泊する山深いキャンプ地で近所に住むご夫婦や男性に出会うことがある。まさに点の出会い。或いは西表で会った青年と北海道知床半島で再開したりもする。日本全国の人口からみると2度会うことは相当低い確率となる。しかしながら、同じ感性をもって、同じ自然を追い求めるグループを分母に訪れる場所を想定し出会い率を求めるとこれは相当に高いものが見込めると思っている。実はここにマーケティングを考える上で原点のようなものが存在する。出会い率なるものを上げるマーケティングでは分母をできるだけ小さくして且つ同じ思考、同じ属性などのようなものに絞り込めれば確率上昇の可能性が上がる。少し乱暴なことを言うならば、関西でブナの紅葉を見たい、写真に撮りたいというカメラマンがいたら、彼らが出現する時期と場所は非常に狭い所に絞られ、彼らに会うための戦略は比較的容易に考えられる。写真は風雨の中まさにそんなカメラマンと再会したブナ林なのである。
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