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2010年9月に作成された記事

2010/09/30

力を抜いてふと遠くを眺める余裕

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企業の経営者は孤独という言葉をよく聞く。私は起業者セミナーでこれから起業しようとする前途洋々の方々相手に最大の敵は「孤独である」と言い放つことが多い。私自身は小さな時から一人旅、単独冒険が好きで孤独になれていて、設立当時の一人仕事は意外と好きだった。従って、その洗礼を浴びなかった。しかしながら、同僚や事業を失敗する経営者の多くは孤独に負けての敗北者が多いと感じる。精神的な孤独もあるが、殆どは物理的な孤独かもしれない。

以前、中小企業診断士の資格を取得した方々の前で話をしたことがある。お話しをした方々の経歴は皆立派でこの資格さえあればこれからの人生大丈夫という顔をしているように見える。しかし、そこでも私は言い放った記憶がある。資格をとったのはプロセスで、これから開業するにあたり一番大事なことは「孤独に勝つことだと」そして、もう一つ大事なことは自らが動き営業を欠かさぬこと。果たしてこの意味をご理解いただける方はどのくらいおられるでしょう。大手で優秀な管理職として長い経歴を持とうとも、自分の周りにいたスタッフの力があって自分が輝いていたことを忘れてはいけない。今までの慣習で物事を判断するのでなく、自分で、自ら、己が・・・・という視点が重要となる。独立も、転職も自分という軸で発動的に全てのことをやりこなせるかでスタートの成功、不成功は決まると言っても過言ではない。

では会社の経営が軌道に乗り、日々莫大な量の仕事をしている経営者は何が必要なのか。20年ほど前、某世界的大手電機メーカーの創業者とTOPインタビューをしたことがあり、その際に聞いた話がある。偉大なその経営者は1週間のうち数回ぼーっと自分の頭の中を見渡す時間をつくると。そのぼーっとTIMEを優先して確保し、見落としや大局を見ると言う。ぼーっと思考することに秘訣があるのだ。必死に近視眼的に物事を思考すると殆ど大局は見えない。ぼーっと、ファジーに見渡すと意外なことが欠落していることに気づく。私はそのことが会社経営上非常に大切とそのときから思っており、座右の銘の1つにもなっている。

この大局を見るということ。中々重く難しいが全ての物事に当てはまる。仕事のこと、経営のこと、家族のこと、自分の人生のこと・・・。意識して大局を見る時間をつくるといい結果が生まれる。私の場合は1週間に10分ほど優先してスケジュールにこの時間を確保するようにしている。

さて、上部の写真。私が自然が大好きであることは既に書いたが、この9月某山中に一人でトレッキング、カヌーをするために入った。登山翌日早朝、既に気温は都会では想像できない低温。早朝の湖には朝靄が立ち込めており、そこにカヌーを漕ぎ出す。このような環境に度々訪問することで自分の小ささや、大自然、地球に生かされていることに改めて気づく。仕事の中で必死にもがいていると己の思考に発展性や拡張性がなくなり、一つの答えしか仕事にも人生にも見つけられなくなる。写真のように湖中から突き出す枯木が日の出とともに見え始める風景を見ていると、更に自分の小ささや直面することに執着しすぎてしまっている自分に笑いが起きてしまうのだ。

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