選択の時代。企業が必要な人財像。
厚生労働省の調査では2010年春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日時点で62.5%。昨年同時期比較7.4ポイント低下。3人に1人の就職先が決まっていない。片方でリクルートワークス研究所が調べた2010年卒の大卒者求人倍率は1.62倍。求職者を求人が上回る状況がある。求人倍率が1を切った2000年3月卒業生の採用時でも、同じ時期の内定率は63.6%。つまり今年よりわずかながら高く、求人はあるが内定率は低いという実態が見えてくる。この意味は深刻である。大学に通っている学生は多いが学生達の質が低下しているということと、企業が学生のクオリティを真剣に見定めているという2つの背景がある。つまり、古い言葉であるが企業は単なる「人材」でなく将来を任せられる「人財」を妥協することなく採用しているのである。
新卒大学生の内定率と大卒求人倍率の推移"
上記グラフはリクルートワークス研究所調べ
では、求人総数の観点から数値を見るとどうなるのか。2009年春卒業者に対しての民間求人総数は94.8万人であったが2010年春卒業者に対する求人は72.5万人と実に22.3万人の求人数減となっている。この22.3万人とはいったいどのような数字なのか。正確に統計を取ったわけではないが通常規模の総合大学は10000人から14000人近い総在学生を有する。実に総合大学全学生数の約18校から20校分の求人が消えたことになる。こう考えるといかに厳しい状況になっているかが分る。しかしながら先に書いたように求人は大学卒業生数を上回り存在している。この実態をしっかり把握して学生は勉学に励み他者とは違う何かを在学中に見つけだし自分の物にすることが重要となる。企業は大学や学生の意識以上の加速をもって変革していることを知るべきである。
中途採用市場でも上記新卒者と同じ環境が転職市場で定着している。大手企業で管理職をしてきた。役員まで昇進した。現在高い給与を貰っている・・・。それらキャリアを有することは単なる1つのアイテムであって、これからは、仕事をしてきた成果として今どのような輝きをもっていて、どのようなパフォーマンスを面接で出せるかが問われる。面接という瞬間の舞台で輝くパフォーマンスを出し切れない人材は、ビジネスの世界でも良好なパフォーマンスは出せないとの判断を企業はする訳だ。終身雇用が徐々に姿を消す昨今、就職した企業で過ごす日々を有意義に過ごし、いかに自分を磨きこむかが重要となる。転職をするかもしれないその時の為に、常に自分に対して負荷をかけて成長しつづけることが今を生きるビジネスマンに求められることになる。
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