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2009年1月に作成された記事

2009/01/13

アメリカ金融破たんが及ぼす国内転職事情

この不景気、日本は世界先進国で一番ダメージが少ないというが・・・
「働く」「転職」というキーワードから見た日本はどうなる?
企業から採用部門が無くなる日は近いのか。


今朝、私の友人でニューヨーク勤務、米国ニュージャージー在住の知人からメールが入った。
予想はしていたが、見聞ある大手企業TOPに近い参謀として仕事をしている友人のメールは妙に説得力があった。
凡その内容はこうだ・・
「勤務先のあるニューヨークは景気減速(というよりも崩壊といった方がしっくりきます)が恐ろしい速さで進んでいます。
百貨店もシャネル等の有名ブランドの靴・洋服が叩き売りの状態になっており、7割~8割引きは当たり前となっていますが、それでも小売は在庫調整ができていない状況のようで、大手小売店の倒産が毎日のように噂されています。」と・・・
また、米国ディラーは苦肉の策で、1台購入すると1台サービスということまで打ち出しているところがあるとも聞く。
果たして、通常で考えるとこの市場にスキルの高いビジネスマンが数多く必要かと言うと疑問となる。
コアエグゼクティブは管理職から役員クラスを中心にエグゼクティブの転職支援を国内外で行っているが、このアメリカの金融不安を先に反映した動きを転職市場で見せたのはアメリカ駐在の日本人だった。
その傾向は、現在の大惨事に至る1年程前から始まり、米国在住ビジネスマンからの問い合わせが増加した。
私は30年間転職ビジネスに関与しているが、中小企業から大手、外資系企業までをお客様とするこのビジネスは、世界中の動向をいち早くキャッチすると言っても過言ではないと断言する。
その意味で、今回のプロムナードは少し前から始まっており、その余震が日本に伝わってくるのが少し遅かったのかもしれない。


表面化したのは、日本流通大手企業が買収したアメリカのアパレル系上場企業の低迷をはじめ、大手日本企業の米国駐在者へのソフトな転職推奨行動も同時に見られ、米国で勤務するビジネスマンがいち早く反応した時だったのだろう。
ただ、米国で永住権をもって、米国の風土や環境に馴染んだビジネスマンを満足させる求人は、既に米国にも日本にも殆ど存在しなくなっており、少しの妥協を転職者に求めた。
妥協した求職者の一部は転職を果たしたが、自分の理想を信念、アイデンテティーとした求職者はそのまま在職企業で働いているのが殆どだ。
既にというのは、更に半年前であれば中国や東南アジア方面の営業や技術者、工場管理者、マーケティングなどの求人は存在していたからだ。
嗅覚が鋭い海外勤務希望ビジネスマンや、海外から日本に帰国したい願望の強いビジネスマンは、早期に動き、上手く転職を果たしたと思われる。
しかし、今は多くの求人案件が姿を消した。
コアエグゼクティブに登録されている方々は景気動向に左右されない方々が多い。
殆どが在職者で。高い給与を支給されており、この不景気でも自身の人生や生活を大きく変える必要は無い方が多い。
しかしながら、昨今の大手電機メーカーS社を筆頭に、穏便なる解雇ということになると、安泰ではなくなる。
そこで、重要なことは在職をしながらしっかりと早い目に自分の経歴や強味の棚卸をすることだ。
棚卸とは、社会人になってからの自分の経歴を顧みて、どのような経歴をもっていて、その時々の自分は何をミッションにして働いていたのか。
また、部下を持ち始めた時の自分のポジショニングや、部下の考課スキルはどうだったか、上司には何を報告し、どのように経営に絡んだのかなどを時間を使って棚卸し、完璧な経歴書を作成することであると思う。転職をまさにしなければならない時ではなく、半年後、1年後の転職活動時期に向けて、今から自分の経歴書を作成し、人生の棚卸をすべきであると考える。
そこには、今後を占うヒントが必ずあり、自分をPRする素材が見つかる。
あと、近年思うことがある。
上記に書いたように、更に高いステージに転職をするという前提の転職行動も良いのだが、30年前から転職ビジネスに関わり悟ることもある。転職は何のためにするのかということ。
よりよい生活をするため、家族をより幸せにするため、自分をより成長させるため等など・・・・
それらを否定する気持ちはまったくないし私自身も今までこれらを思い仕事をしてきている事実はあるが、最近は少し違う。
それは、資本主義的?比較論の中で勝利する為、上位になるために仕事や転職をすることではなく、自分という絶対的な存在に対して何が一番「幸せ」かということを重視するということ。
自分の「幸せ規準」というものに少しこだわり始めた自分が居ることに気づく。
景気低迷の厳しい時代で輝ける仕事を見つけることに私は意見を言うつもりもないし、それは私の転職支援ビジネスを否定する意見にもなりかねないものであるが、敢えてこの景気低迷時期だからこそ「自分の「幸せ規準」」を探しての転職もいいもんだと思う。
アメリカの金融不安を発端とする景気低迷は求人数の低減などの暗い影響を転職市場にも与えているが、発想の転換で今こそ、自分探しをしてみる絶好の機会にされてはいかがだろうか。





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